RF VENUE製品レビュー/セカンドステージ株式会社小諸様・若松様

セカンドステージ株式会社 小諸氏のプロフィール及び現在の仕事内容のご紹介

 

オーディオメーカーにてワイヤレスマイクの設計、製造、営業部の技術サポートを経て、設備設計やトラブル対応、ミュージカルなどの多数波運用からドーム・アリーナなどの広い会場を数多く経験。現在ではワイヤレスマネジメントとして活躍。
ホワイトスペース移行が本格的に始まる時にセカンドステージの若松氏から、「これからはワイヤレスマネジメントが必要になるので新しい部署を作りたい」とオファーがあり、2014年に移籍し(ホワイトスペース)移行のお手伝いや、全国各地でワイヤレスセミナーを行いながらフェス関連や大規模コンサートのワイヤレスマネジメントに携わり、現在に至る。

 

今回の使用場所

全国のドーム(札幌・埼玉・東京・名古屋・大阪・福岡)

 

今回ご使用して頂いた機材

Optix Series 3(電波を光変換できる製品)

4 ZONE(RF アンテナコンバイナー)

Q1 今まで長い間ワイヤレスに携わられていますが運用で困ったことはありますか?

日本の法律がすごく堅すぎると感じています。アメリカに行くとホワイトスペース帯の空いているところを使用しています。そして、向こうには必ずワイヤレスを束ねるプロフェッショナルがいます。

日本だと(ホワイトスペース内のTVchに○がある場所)規格・チャンネルが決まっていて、それ以上の事をやろうとすると無理がでます。ですので、今後は簡易的に使用できるかの判断ができると良いと思います。

Q2 RF VENUEを知るきっかけは?

電波の光変換(OPTIX3)はMJ SOUND 山嵜さんから伺いましたが、海外の展示会でDiversity Fin Antenna を見て知っていました。面白いアンテナを作るなって。

Q3 今回の会場内でどのように設置されましたか?

アンテナの設置は上手にAB、下手の同じところにAB、ディレースピーカー近くにABの計6枚。

そこで役立ったのが4 ZONE。

この製品は最大8枚のアンテナゲイン調整が出来ます。普通だと全て計算してブースターゲイン調整を決めますが、4 ZONEで細かく設定することが出来るのでそれは楽でした。

※4 ZONEにブースター機能はございません、1dBステップで最大31dBまで減衰出来ます。

混合のためT分岐を使うと電圧が足りなくなるので、ACアダプターを使いますがノイズがのってトラブルになっても困るのでなるべく使いたくないです。4 ZONEは各アンテナに十分な電流を供給することが出来るので安心です。

アンテナを下手、上手に設置した理由はステージ後ろに70m幅のLEDパネルが設置されていた為です。

受信機側には4 ZONEとOPTIX3/Reciverを設置。

ディレースピーカー側にはOPTIX3/Tranmitterを設置。

OPTIX3はNeutrik製の光ケーブル(150m)で接続しています。

※光ケーブルはシングルモードです。

※OPTIX3を使用していただくと光ケーブルの部分は一切ロスしません。

元々は同軸を引っ張って延ばせるところまで延ばしてアンテナを設置しようという案もありましたがMJ SOUNDの山嵜さんが持ってこられたOPTIX3を使ってみたいということになりました。

また、SHURE製のアンテナで4 ZONE使用、AXT630で帯域にフィターをかけてイヤモニの帯域が入らないようにハンドの帯域だけを受信するように各社の受信機に分配して使用しました。

今回ワイヤレスはSENNHEISER・WISYCOM・SHUREを使用していました。メンバー各自が普段から使用しているマイクを選んでいます。

通常ですと同一メーカーで揃えるところですが、アーティストの意向で色々なメーカーのワイヤレスを使用することになりました。

どのメーカーにも最適なRFシグナルを供給することが出来ました。

Q4 改善点はありますか?

・西武ドーム(メットライフドーム)で1週間のうち3日間実験できる期間があったのですが、1日目から「普通に使える」という印象でした。ただ各アンテナのブーストゲイン、4 ZONEのアッテネーター調整など、測定器を使って細かく調整する事が必要だと感じました。

それと4 ZONEに関しては、表記配置ではわかりづらい部分がありました。

・後ろのコネクタがSHUREとかだと表から見れば左がAで右がB、後ろから見れば逆になる。SENNHEISERは後ろから見ても左がAで右がBというものも混ざっています。出来ればSHUREと同じようにして欲しいですね。表記だけの問題ですが、、、

・操作方法は長押しや上下を押すなどは分かりやすかった。4 ZONEはアンテナ切り替え時にノイズが無く本番中でも切替できるので素晴らしい。

・電源スイッチは今回ガムテープを貼って保護しましたが必要無いと思いました。それならガード付きにして欲しいですね、硬いスイッチなので多少は大丈夫だとおもいますが。

・光ケーブルは最大どのくらい引けますか、マルチモード対応もありますか? (若松氏からのご質問)

→光ケーブルの種類はシングルモードだけになります。メーカー側は「10kmまで対応できる」と言っていますが、我々は150mのケーブルを使用しています。今回のお話を伺ってドーム対応としては200mのほうが良いと思いました。

Q5 また使ってみたいですか?

是非。物理的にも精神的にもとても助かりました。

今後も現場の意見を取り入れた良い製品を開発していただきたいと思います。